ValveはSteam Deck Verified対応ゲームの開発者向けに、実際のプレイセッションから集めたフレームレート分布をSteamworksへ追加しました。データは共有に同意したユーザーのものです。
何が起きた?
従来の平均FPSだけでなく、どのフレームレート帯がどれだけ発生したかを確認できるため、実際のプレイで起きるカクつきや低下を分析しやすくなります。
Valveは2026年10月1日、Steamworksの開発者向けダッシュボードにSteam Deckのフレームレート分布を追加したと発表しました。対象は現時点でSteam Deck Verifiedのゲームで、パートナー画面のTechnical ToolsからSteam Hardware Compatibility Reviewを開くと確認できます。データには、性能情報の共有に同意したSteam Deck利用者の実際のプレイセッションが使用されます。平均FPSだけを見る場合と異なり、どのフレームレート帯を経験したプレイヤーがどれくらいいるかを把握しやすくなります。ただし参加は任意で、すべてのユーザーやあらゆるシーンが記録されるわけではありません。これは一般の購入者が全ゲームの速度を比較できる公開ランキングではなく、作品を改善するために開発チームへ追加の判断材料を提供する機能です。公開された数字から個々のプレイヤーに一定のFPSを保証することもできません。
公式に確認されたことは?
Steamworksの公式発表では、現時点の対象はVerified作品であり、収集はユーザーの同意に基づきます。Steam Deck LCDの上限は60FPS、OLEDの上限は90FPSです。
平均FPSの弱点は、特定の場面で発生する大きな低下が隠れてしまう場合があることです。例えば静かな通路では滑らかに動くゲームが、多数の敵や派手な演出のある戦闘で大きく遅くなるかもしれません。全体の平均が高くても、重要な操作の瞬間にカクつくなら快適とは言えません。分布を見ることで、収集されたセッションの中で低いFPS帯がどの程度頻繁に現れるかを確認できます。ただしグラフだけで原因を特定することはできず、描画処理、読み込み、設定などを再現テストで調べる必要があります。またValveはSteam Deck LCDの画面上限が60FPS、OLEDが90FPSであることを説明しています。これはディスプレイ側の最大値で、負荷の高い全作品がその数字で安定動作するという約束ではありません。消費電力や発熱、電池持ちも考えれば、無理に最大値を追うより低めの安定した設定が好ましい場合もあります。
プレイヤーへの影響は?
開発側はパッチや画質設定の変更が実機での快適さにどう影響するかを調べられます。ただし、すべてのゲームが60FPSや90FPSを保証されるという意味ではありません。
開発者はゲームの更新前後で分布を比較し、画質設定や最適化が実際の利用環境にどのような変化をもたらしたか調べる手掛かりを得られます。社内の限られたテスト環境では問題が見つからなくても、実際のプレイで特定の場面や環境設定により大きな低下が発生することがあります。ただしセッションの参加者やゲームのバージョンも変わるため、グラフの変動がすべて一つのパッチの効果だと断定するのは危険です。改善には利用者からの報告や技術的な計測を組み合わせる必要があります。またSteam Deck Verifiedに関係するのはFPSだけではありません。文字の読みやすさ、コントローラーの操作、メニューの使いやすさ、安定性なども携帯型ゲーム機では重要です。今回の機能は性能に関する追加情報であり、ほかの問題を自動的に解決するわけではありません。
今後の注目点は?
これは開発者向けパートナーツールで、一般ユーザー向けの全作品FPSランキングではありません。集計結果は情報提供に同意した利用者の規模にも左右されます。
プライバシーと統計の読み方にも注意が必要です。共有に同意する利用者だけが集計対象となるため、参加する人の傾向やセッション数によって結果が変わる可能性があります。ゲームやSteamOSが更新されれば、その後の性能分布も変わり得ます。数か月前のスクリーンショットを現在の性能の最終評価として使うことは適切ではありません。Valveが今回発表したのは、すでにVerifiedとなったゲームの開発者向けデータであり、公開ストアへのFPS一覧追加や新しい必須認証テストではありません。Steam Deckを購入したい人は、遊ぶ予定のゲームについて対象モデルで行われた最近の性能テストを確認し、画面、電池持ち、予算も比較しましょう。知らないサイトで特別なソフトを入れれば全作品が90FPSになるという宣伝は、今回の発表と関係ありません。実際の恩恵は開発者がデータを使って問題を見つけ、検証可能な改善を配信できたときに現れます。